ほくうん

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600台近い車両を保有している

顧客、取引先と歩み続け35年。年商102億円に到達

 宅配や引っ越し会社、家具メーカーなど日本を代表する企業はもちろん、大手通販会社からの受託も増えているのが「ほくうん」だ。1987年にトラックドライバーだった森高義男社長が創業。今では独立系物流会社としては北海道を代表する企業に成長している。
 同社は主に北海道と本州間の輸送を担っており、道内外で600台の車両を所有。それに対応するドライバーが在籍することで、荷主からの要望に迅速に応えており、信頼も厚い。
 一方で、財務体質もきわめて健全で、右肩上がりで成長しつつ17年連続で増収増益となっている。
 しかし、その道のりは決して平坦ではなかった。物流業ではあらかじめ車両や予備の車、人材を集める必要があるが、需要の予測は難しい。創業4年目には過剰な設備投資から不採算になった経験も。現在では「365日全てが決算日」との考えのもと、常に絶え間ない企業努力を続けている。
 例を挙げると、全ての車両1台ごとの売り上げが翌日にはわかる仕組みを構築して、日々緻密な損益計算をおこなう。特に、変動費で大きなウエートを占める燃料代は毎週仕入れ先を見直している。それは軽油価格1円の上下が大きく損益に影響をもたらすと考えているからだ。
 また、高速道路やフェリーの利用料金も常に効率の良い契約方法や仕組みなど取り入れている。車両保険も定期的に確認。稼働が無い車があれば直ちに見直す。
 これらの情報共有のため毎週土曜日には幹部を集め会議を実施。また、需要を先読みして昨年1年間だけで120台を増車しているが、その全ての車両を新車で購入しているのも特徴だ。
「新車は中古車に比べて故障が少なくメンテナンスコストが低い。売却も容易です。ドライバーの福利厚生や採用時のPRにもつながります」と森高社長。
 一方で仕入れ先との関係も重視。4大トラックディーラーや全てのフェリー会社などと取引することで良好な関係を築き上げている。この結果、21年度の年商は過去最高の102億円となった。
 今年8月には創業35周年を迎える。森高社長は「利益を残すことが信頼につながると考え、本業である物流業のみに注力してきました。すべての顧客と取引先さまに感謝を申し上げたい」と語る。

ほくうん
札幌市東区中沼町31番地4
TEL:011・791・7710
http://www.hokuun.com
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森高義男社長
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札幌市東区にある本社

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