さっぽろ麻生乳腺甲状腺クリニック
亀田 博 院長
かめだ・ひろし/ 1980年北海道大学医学部卒業。同大学第1外科入局。小児外科・乳腺甲状腺外科の診療と研究に従事。2001年麻生乳腺甲状腺クリニック開業。日本乳癌学会認定乳腺専門医。日本外科学会認定外科専門医。医学博士。
乳がんの早期発見・治療に尽力。マンモとエコーの併用を推奨
日本乳癌学会認定乳腺専門医・指導医として数多くの患者を診てきた亀田博院長。常に新しい医療情報の入手に努め、アメリカ臨床腫瘍学会にも所属している。
どの病気も早期発見・治療が肝要だが、乳がんの治療においてはとりわけ重要なポイントとなる。近年、医療の進歩によってステージIの10年生存率は99%となり、早期発見さえできれば完治まで見込めるからだ。
同院では、乳がん検診時、精密検査時を問わず、マンモグラフィー(乳腺X線撮影装置)とエコー(乳房超音波検診機器)の併用をかねてから推奨してきた。厚生労働省が立ち上げた医療実用化研究事業「J―START」によると、マンモグラフィーのみよりもエコー検査を併用したほうが、がんを1・5倍見つけられるというデータも公表されている。事実、検査を併用する患者が増えているという。
がんが見つかった場合は抗がん剤治療をはじめ、必要に応じて手術も行っている。2013年からは乳房再建が保険適用となったほか、所得に応じて高額医療費制度も利用できる。
また、20年から乳がん・卵巣がん患者の遺伝子検査が保険適用となったことで、遺伝子検査を希望する患者も増加。同院でも受け付けている。
それでもコロナ禍による受診控えをはじめ、さまざまな理由で検査を躊躇する患者もいるだろう。
同院では安心して検査を受けられるように、院内の感染症対策を徹底。経験豊富な女性技師が検査を担っている。
「現在、日本の女性の9人に1人が乳がんを発症すると言われており、罹患数は年々増加しています。発症要因は明確ではありませんが、女性ホルモンや遺伝子要因、欧米型の食生活、飲酒・喫煙などとの関連性が疑われています。乳房にしこりができたといった自覚症状がなくても、2年に1度は乳がん検診を受けてほしい」と亀田院長は呼びかける。