桂林耳鼻咽喉科・中耳サージクリニック

桝谷 将偉 院長
ますや・まさより/2006年旭川医科大学医学部医学科卒業後、道内基幹病院に勤務。10年北海道大学病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科学入局。その後函館中央病院医長、仙台・中耳サージセンター勤務などを経て16年開業。

道内唯一の日帰り難聴手術を実施。患者の不安にも配慮

　日帰り手術で難聴を治す道内唯一の医師ということもあり、桝谷将偉院長の存在は広く知られるようになった。開院からわずか６年、年齢的には中堅の部類だが、さまざまな難聴を治癒してきた実績が多くの医師に認められ、他院からの紹介も増えている。
　桝谷院長が行う「耳鏡下耳内耳科手術」は、加齢が原因の老人性難聴を除き、慢性中耳炎や外耳狭窄症、真珠腫性中耳炎、耳小骨奇形などに起因する多くの難聴に適用できる。開院から４５０例以上（２０２２年７月末現在）を執刀し、患者の人生に音という〝彩り〟を与えている。
　一般的な手術では入院が必要で、時間的負担と経済的負担が治療の障壁となっていた。桝谷院長は「従来の手術よりも身体的負担の少ない低侵襲手術が『耳鏡下耳内耳科手術』です。耳の深部を６～７㍉切開するだけですから、入院は不要です」と話す。
　わずかな術野でも顕微鏡と耳鏡と呼ばれる特殊器具を駆使することで、スムーズに患部にアクセスできるという。また、局所麻酔のため手術中も患者の意識ははっきりしており、聞こえを確認しながら複数の治療プランを試行可能。患者にとってベストの状態を探れるため、再手術のリスクを減らせる。
　なお、手術費用は保険適用で70歳以上なら１万８０００円ほど。わずかな費用で手術を受けることができる。
　また、耳鳴りやめまい、聞こえの悪さに悩み、セカンドオピニオンとして訪れる患者も増えている。
　桝谷院長は「他院から当院に来られる際は、これまでの検査データを必ずご持参ください。状況を把握できなければ、一から検査が必要となり、治療が遅れてしまいます」と呼びかける。
　中には医療機関を転々とする患者もいるが、桝谷院長は不安を取り除くことが重要だと捉えている。
「耳鳴りやある種の難聴は自立神経と密接に関わっています。心の不調が時に症状を悪化させることもありますので、現状の説明と治療方針、今後の症状の推移などを丁寧に説明しています。耳の中は目に見えないからこそ、〝見える化〟することが患者の安心感につながるはずです」