ささもと眼科クリニック
笹本 洋一 院長
ささもと・よういち/1984年北海道大学医学部卒業。90年から2年間米国国立衛生研究所国立眼研究所研究員。94年から北大病院眼科病棟医長を務めた後、2001年開院。日本眼科学会認定眼科専門医。北大病院客員臨床教授、札幌医科大学医学部臨床教授。北海道医師会常任理事、北海道眼科医会会長。医学博士。
積み重ねた知見を生かし、症状が酷似する眼科疾患を診断
眼科において自己診断が危険なのは緑内障だろう。白内障とは病名も似ていることから、「見えにくい=白内障」と思い込む人が後を絶たない。
「白内障と思い込んでいた患者さんを検査すると緑内障というケースが少なくありません。緑内障は治療や手術で元の状態に戻すことはできませんが、進行を遅らせ、今の視野を守ることはできます。一刻も早い治療が必要です」とささもと眼科クリニックの笹本洋一院長はアドバイスする。
一方、白内障だった場合は「すぐに手術をする必要はありません。患者さんが不自由と感じた時に手術を受けると良いでしょう」という。
白内障は、濁った水晶体を取り除いて人工の眼内レンズを挿入する手術が必要になるが、これが笹本院長の得意分野で、原則的に日帰り手術となる。また、ぶどう膜炎や緑内障などを併発した困難な白内障など難易度の高い手術も手掛ける。
結膜炎も自己診断してしまう患者が多い。
「急性結膜炎のほかにアレルギー性結膜炎もあり、アレルギー性だけでも大きく分けて4種類もあります。また、結膜炎が角膜に波及し視力障害を残すケースや、淋菌性結膜炎など急速に進行するタイプでは眼球穿孔をきたし失明する例もある」というから結膜炎も油断大敵だ。
また、視力の低下も単に眼鏡の度数が合わなくなったというケースが多い一方、その裏側に病気が隠れていることもある。斜視も間欠性外斜視や先天性上斜筋麻痺などの先天的なものもあれば、糖尿病の合併症など後天的なものもあり、受診をして原因が突き止める必要がある。やはり自己診断は危険だ。
笹本院長は北海道大学病院の客員臨床教授で、札幌医科大学では臨床教授として後進の育成に尽力。また北海道眼科医会の会長も務めており、多方面から頼られている。
なお、毎週金曜日は北大病院の「白内障外来責任医師」として診療するため不在にするが、同院には辻野奈緒子医師もいる。北大医学部を卒業後、現在まで北大病院眼科に所属。緑内障やぶどう膜炎を専門に、客員臨床医師として北大病院で診療する日本眼科学会認定眼科専門医だ。