さっぽろ脊椎外科クリニック
神田 翔太郎 医師
かんだ・しょうたろう/2008年山形大学医学部卒業。自治医科大学付属さいたま医療センター講師などの勤務を経て、19年4月にさっぽろ脊椎外科クリニック勤務。日本整形外科学会認定整形外科専門医。
首と腰のしびれ・痛みを低侵襲手術で改善させる
脊椎は背骨を指し、首や腰とつながっている。この脊椎の疾患を専門としているのが神田翔太郎医師だ。
首の疾患では頚椎症性脊髄症や頸椎症性神経根症、頸椎椎間板ヘルニアなどの治療を得意としている。
「症状が出るのは肩や腕で、痛みやしびれが生じます。特に運動障害を伴う頸椎症性脊髄症は要注意で、進行すると手術をしても障害が残ってしまいます。自己判断せず早期受診が重要」と神田医師。セルフチェック方法も教えてくれた。
「拳を開いて閉じて下さい。このグーパーを10秒間に20回以上できなければ、運動障害の可能性があります。専門医への受診をお勧めします」
この頚椎症性脊髄症は手術を推奨している。頸椎症性神経根症、頸椎椎間板ヘルニアは保存治療が基本だが、症状が改善しない場合には手術も行っている。首の前側から患部にアクセスする頸椎前方除圧固定術と、背側からアクセスする頸椎後方除圧固定術を症状や年齢に応じて選択。ともに顕微鏡を用いた低侵襲手術だが、前方からのアプローチは比較的珍しい。
「前方は筋組織への切開が少なく済みますが、同時に手術の難易度も上がるため敬遠する医師は多いのが現状です。しかし、術後の回復速度は異なるため、当院では積極的に実施しています」と神田医師。
また、腰の代表的な疾患は腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニア、腰椎すべり症で、頸椎同様、山田恵二郎院長と濱田一範副院長とともに数多くの手術を執刀。2021年は311例の腰椎疾患のオペを行った。
わずかな切開で神経の除圧と脊椎間固定、脊椎配列の矯正などができる低侵襲手術「OLIF」と「XLIF」を習得し、適応可能な症例には積極的に取り入れている。背筋などの筋組織への侵襲が少なく、手術翌日からリハビリができるなど、従来の術式に比べて早期に社会復帰できるメリットがある。
一方、厚生労働省の方針でクリニックでの実施が中止となっていた椎間板ヘルニアに対する酵素注入療法「ヘルニコア」を今年4月に再開。多くの患者に実施している。