道南バス
利用者の利便性向上を追求。多様な取り組みで地域活性化を図る
地域住民の生活の足として、1925年の創業から今日まで運送事業を継続してきた「道南バス」。室蘭・苫小牧市内の路線バスを運行するほか、倶知安から浦河までの30市町村を運行エリアとしている。
高速都市間バスや団体貸し切りなど観光分野にも力を入れる同社では、倶知安観光協会等と連携して7月に「スカイバスニセコ」と銘打ち、バスの天井部がオープンする観光バスを走らせ話題となった。
8月26日まではナイトバスツアーを開催している。登別温泉街を起点に夜の地球岬と室蘭の工場夜景のビュースポットを巡るツアーで、登別温泉の各旅館宿泊者などが参加している。長谷川義郎社長は「本社を構える室蘭は今年開港150年を迎えます。アニバーサリーイヤーを観光で盛り上げていきたい」と話す。
8月には約2年ぶりに地元住民を対象とした独自の企画ツアーを再開。地域のリクエストに応えた。
利用客の利便性向上も追求している。昨年7月にスタートしたバスロケーションシステム「バスキタ!道南バス」は、スマホやパソコンで運行状況をリアルタイムで把握可能。バスの現在地や遅延状況、運賃などがひと目でわかると好評を得ている。
今年4月からは学生の通学定期券をアプリ化。スマホアプリ「バスもり!」を利用した「スマホ通学定期券」の販売を開始している。ネット上で24時間いつでも購入でき、利用者はスマホの専用画面を運転手に提示するのみだ。
また、塾や買い物など学生の生活圏が自宅と学校だけにとどまらないことを受け、室蘭市を3つのエリアに分け、購入したエリア内はバスが乗り放題となる新たな試みを開始した。なお、土、日、祝日は購入したエリアを問わず対象区間全域で乗り降りが可能となる。苫小牧市の一部エリアでも実施中で、今後は他地域への拡大および通勤定期への拡充なども検討している。
「地域住民の皆様あっての道南バスですから、使い勝手の良いバス会社を目指していきたい。バス車内、窓口でご利用可能なQRコード決済についても、対応ブランドを順次拡大していきます」と長谷川社長。
一方、新たにYouTubeチャンネルやオンラインショップも開設。積極的な情報発信でバスの魅力や北海道の見どころを発信し、地域の活性化に貢献していく。