弁護士法人 リブラ共同法律事務所
遺言書で〝人生の棚卸〟を親身にサポート
「葬儀会社を通じた案件も多いため、当事務所に寄せられる相談の大半は〝死後〟のものです。しかし、生前に対策を講じていれば全く異なる結果であったケースが非常に多い」と話すのは、リブラ共同法律事務所の菅原仁人代表弁護士。
近年は終活が浸透してきたことで、インターネットなどを駆使して遺言書を自作する人が増えているが「様式を満たしていないと無効になりますので、注意が必要。財産を託すといっても、不動産については詳細な記載が必要となります。せっかく遺言を残されたのに、形式的な不備でお気持ちを実現できないケースも見られますので、やはり専門家への依頼がベター」と菅原代表はアドバイスする。
親が亡くなった場合の法定相続の基本は、離婚していなければ配偶者に50%、子に50%(子が2人なら25%ずつ)で、ただし、離婚した元配偶者に相続の権利はないというものだ。しかし、例えば献身的に親の介護をしていた長女と、遠方で何も介入していない次女とでは、遺産分割における感情は大きく異なるだろう。
「遺言書が無いために、子ども同士で遺産の取り合いになってしまい、やむなく弁護士の介入を求めて訪れる相談者が多い。お話を聞いていると、生前の話し合いはもとより、遺言書の作成によって子どもたちを仲たがいさせないことも親の務めではないかと感じます」と菅原代表。
また、離婚の増加に伴い、親の死後に腹違いの兄弟を知るケースも多いという。
「配偶者と情報共有していても、子にはその存在を知らせていないことが死後のトラブルにつながりかねない。遺言書をつくることは、親子の情報共有の絶好の機会といえます」と菅原代表。
子に知られたくない、できれば隠し通したい――これも親として理解できる心理ではあるが、残された子たちが死後に大変な思いをすることになるのは明白だ。同事務所では、無駄な争いが生じないよう、本人の希望をヒアリングしながら〝人生の棚卸〟をサポート。遺言執行者として、預貯金の解約や不動産の相続登記など、遺言を実現するために必要な作業も行っている。
「家族は本人に遺言書を作ってほしいと言いにくいものですが、後回しにすれば死亡・認知症リスクも高まります。遺言を作る約束が果たされないまま亡くなってしまうこともしばしばあるので、元気なうちに行動を」と菅原代表は呼びかける。
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