北海道ロードサービス
道路維持管理で50余年。中核事業以外の強化に着手
1970年創業の「北海道ロードサービス」。50年以上にわたり、札幌市を中心とした道内全域の道路維持管理を担っている。取引先は官公庁がメーンで、いわゆる〝元請〟に位置する。道路維持管理のほか、除排雪や橋梁の塗装工事、コンクリート構造物補修などの土木工事まで、多岐にわたる事業を展開する。掲げるモットーは〝道と人を支え、安全な環境へ〟だ。
柱となっている事業が、道路上の白線や黄線を引く道路区画線工事と、道路や排水施設の清掃・除排雪業務の2つ。創業当初からの同社を支える屋台骨の事業だ。特に、昨冬の大雪で除排雪の作業は増加。前期を大きく上回るなど、創業から半世紀経過した現在でも着実に売上高を伸ばしている。
さらに、特筆に値するのが、98年から本格的に事業をスタートさせた薄層カラー舗装工事だ。樹脂系すべり止め舗装工事とも言われ、舗装面にセラミックなどの骨材を樹脂材で接着させ、タイヤと路面の摩擦抵抗を上げる。これによりスリップを抑制し、交通事故減少に貢献している。2000年には札幌ドーム前の羊ヶ丘通り(札幌市)など、同社はこの薄層カラー舗装工事で道内シェア50%とトップシェアを誇っており、道内各地で施工を行っている。
千葉敬社長は「この事業を開始した当時は北海道が毎年、交通事故発生件数の全国ワースト1位でした。こうした状況の改善の一助になればと思い参入しました」と経緯を振り返る。
一方で、新たな試みの計画もある。今期からは橋梁補修工事を強化。従来の塗装工事で発生する産業廃棄物を約97%も削減する画期的な新技術で、道内では導入しているのは同社を含め4社のみだ。「橋梁長寿命化修繕計画など、国が打ち出す政策は時代とともに変化しています。さまざまなニーズに対応するため、常に新たなことに取り組むことが必要。こうした特殊技術で差別化を図っていく」と千葉社長。
3月には官公庁などの発注者向けに、同技術に関する勉強会を札幌市内で行った。今後も全道各地で勉強会を行っての技術普及に尽力する方針だ。
千葉社長は「事業拡大には人材育成が必須と考えており、本州の協力会社への出向も積極的に行っています。永続企業になるべく、多角的に事業を展開していきます」と強く語る。