ユーコットホールディングス

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塗装を手掛けた厚岸大橋(厚岸町)。道内主要橋梁の塗装を多く手掛ける

塗装業を中核に、新会社の設立で業容を拡大

〝北海道に住む人の生活に無くてはならない事業を展開する〟をテーマに掲げる「ユーコットホールディングス」。「宇佐美商会」「道央建装」「C‐WORKS」の3社の持株会社として2016年に発足。新鋭企業ながら、企業価値の向上を推進し前進している。
 グループの中核を担うのは2社。そのうちの1社が、鋼構造物の防さび防食事業をメーンに展開する宇佐美商会。3月で設立60年を迎え、長きにわたって構造物の防さびに携わってきた。例えば、豊平橋(札幌市)や旭橋(旭川市)、厚岸大橋(厚岸町)など、道内主要橋梁の防さび塗装を数多く同社が担っている。北海道開発局や北海道等の公共事業の元請工事を中心に、施工実績はこれまでに1000件を超え、その施工管理技術は各方面から高い評価を得ている。現在では、施工のみならず防さび・防食に関する企画や立案、調査、設計も手掛けている。
 中核のもう1社である道央建装は、16年のホールディングス発足時に傘下に加わった企業。1967年の創業から発電所設備の塗装を手掛けている。特に、水圧鉄管内面塗装はもっとも得意とする分野だ。短期施工を可能にした独自の塗装技術を確立している。また、14年からは橋梁補修に伴う塗装工事にも参入するなど、電力設備以外にも業容を拡大している。
 グループを統括する宇佐美隆社長は「2社は業務内容こそ違いますが、塗装というバックボーンは同じ。それぞれの長所を伸ばし短所を補う関係です。定期的な勉強会の開催や技術に精通した人間を互いに赴かせるなど、技術向上に取り組んでいます。グループが連携することで顧客の幅広いニーズに応えている」と語る。
 また新たな事業もスタートさせている。20年に設立したC‐WORKSは、住宅・マンションのリフォームを手掛けている。4月からは新築戸建住宅の販売も開始するなど成長スピードを加速している。
「事業承継に対する問題意識からグループ経営を始めた経緯もあり、今後も業務提携を積極的に行いたい。各事業会社の主体性を保ちつつ、相互補完性を高めてグループの発展を目指しています。中小企業の後継者不足解消の一助となり、北海道経済の発展に貢献していきたい」と宇佐美社長。

ユーコットホールディングス
札幌市東区27条東12丁目1-8
TEL:011・299・7800
https://www.eukot.co.jp
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宇佐美隆社長
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21年に新設した本社屋
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フリースペースの設置など、従業員が働きやすくなるよう配慮した社内

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