熊谷解体工業

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重機やダンプを用いて解体工事を請け負う

解体から再生まで。リサイクル製品の地産地消を目指す

 室蘭市に本社を置く「熊谷解体工業」。1983年の創業当初は人力でコンクリートを削る「はつり工事」を専門としていたが、現在は重機を用いた解体工事が主業。木造住宅からコンクリート構造物、公共施設の実績も豊富で胆振管内のまちづくりに欠かせない存在だ。
 コンクリートのメンテナンスも得意としており、ドイツ式の「Sto乾式吹付工法」を道内に先駆けて導入。モルタルと水をノズル先端で混合し、吹き付ける工法で、橋脚やトンネルの補修に活躍する。
 2016年にはグループ会社「アンフィニ」を設立。沖縄支店と釜石営業所を構え、測量や不動産の売買仲介、開発コンサルタントなどの業務を受託。解体後の土地活用や売買まで一体的に手がけている。
 業種の枠に囚われず、独自の歩みを進めてきたが、今年からリサイクル事業に参入。室蘭市神代町に中間処理施設を建設した。今夏にも稼働。年間3万㌧の産業廃棄物を処理できるという。
 山口義紀土木部長は「当社の解体工事では、鉄筋が混ざったコンクリートや木材のくずといった産業廃棄物を年間2万㌧排出します。これらの処理を内製化して、道路の路盤材や燃料用の木材チップなどに加工して販売することでリサイクル率は99・66%と飛躍的に向上します。新たな収益源にもなる」と話す。
 同施設がある1万4000平方㍍の敷地内には、コンクリートや木材の破砕機を設置するほか、保管用倉庫も建設する計画。
「今後は他社からも産業廃棄物も受け入れる計画です。電子マニフェスト(産業廃棄物管理票の電子化)にも対応しており、室蘭市内に中間処理施設を構えることで、利便性が向上することはもちろん、リサイクル製品の地産地消も可能になります。建設分野のみならず、製造分野でも地域に貢献していきたい」と山口土木部長。

熊谷解体工業
室蘭市本輪西町3丁目16番29号
TEL:0143・84・8323
http://www.kumagai-kaitai.com/
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室蘭市神代町に建設途中の「中間処理施設」
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破砕機を保有。迅速な作業を行う
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20年に室蘭市本輪西町に本社を移転
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本社内はリモート会議に対応
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山口義紀土木部長

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