美浪左官工業

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従業員は精鋭が揃う。高い技術力は道内でもトップクラスとして知られる

節目の創業100年は目前。世界に通用する技術を次世代へも継承

 左官の仕事は建物の下地作りだ。最終的に見えなくなる部分で一見地味に思えるが、下地の精度いかんで塗装の仕上がりを左右する重要な仕事と言われる。凹凸やコテの跡が残れば見た目が悪くなるが、全体のスケジュールが細かく決められているためやり直しが通用しない。精度とスピードを両立させる必要があり、専門的かつ高い技術力が求められる職種といえる。
 そんな左官業で道北圏トップシェアの受注を誇っているのが「美浪左官工業」だ。旭川市に本社を構え、2021年には創業90年を迎えた永続企業でもある。大型商業施設や高層マンションから一般住宅、近年では「北海道ボールパークFビレッジ」(北広島市)の工事にも参画するなど、その技術力は道内でもトップクラスとして知られる。
 美浪利光社長は「左官職は免許が必要なく、職人によって技術のばらつきがある。そのため若い時にきちんと知識と経験を積むことが重要。それが後々の技術力の基盤となる」と話す。同社では、未経験者や若年者は入社後2年間、旭川市内の旭川左官高等職業訓練校へ通いながら現場へ赴く。これにより実践的な技術とノウハウを短期間で蓄積でき、成長スピードが格段に向上するという。こうした取り組みにより従業員は精鋭が揃い、地場ゼネコンや国内大手ゼネコンを中心とした取引先から信頼される技術力を培っているわけだ。
「当社は全職人に対して、左官技能士2級以上の取得を推奨している。国家資格を持つことで、仕事への責任感も芽生えます」と美浪社長。
技術力底上げの一方、労働形態や福利厚生の向上などにも注力している。その取り組みが評価され、19年には旭川市から「旭川市産業貢献賞」が贈られた。
「5年前、ヨーロッパに技術研修へ行った際、左官は世界共通の技術だと認識しました。当社は旭川の企業ですが世界に通用する技術を持つと再確認しました。世界レベルの技術力こそが当社の〝プライド〟です。社会から常に必要とされる企業であり続け、ノウハウや技術を次世代にもつないでいく。その責務を全うしていきたい」と美浪社長は力を込める。
 節目となる創業100年を見据え、変化する社会ニーズを的確に捉えながら企業として高みを目指していく。

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旭川市にある本社外観
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美浪利光社長
美浪左官工業
旭川市神居1条10丁目1‐10
TEL:0166・61・7311
http://minami-total-plasterer.co.jp/

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